「ちびまる子ちゃん」「コジコジ」などで知られる漫画家・さくらももこさん(1965~2018年)が手がけた作品を集めた特別展「さくらももこ展」が、香川県高松市紺屋町の高松市美術館で開かれている。エッセイストや作詞家、脚本家としても才能を発揮した仕事ぶりを、原画や直筆原稿など約300点で通観できる。開幕から21日目(休館日除く)の6日には来場者が1万人を突破する人気ぶりとなっている。


さくらさんが手がけた原稿や漫画に見入る来場者(©さくらももこ©さくらプロダクション)=香川県高松市紺屋町、市美術館

さくらさんが手がけた原稿や漫画に見入る来場者(©さくらももこ©さくらプロダクション)=香川県高松市紺屋町、市美術館


 さくらさんは静岡県出身。1984年に漫画家デビューし、86年から自身の少女時代をモデルにした「ちびまる子ちゃん」を少女漫画誌「りぼん」(集英社)で連載した。90年にテレビアニメ化され、テーマ曲「おどるポンポコリン」の作詞のほか、ベストセラーとなった「もものかんづめ」をはじめとした多くのエッセー集を手がけるなど幅広く活躍した。
 7章構成の特別展は、「ちびまる子ちゃん」に関する扉絵や原稿のほか、序章ではさくらさんのデビュー前に着目。小学校の卒業文集や絵日記などが並び、子ども時代の面影を感じ取ることができる。


『りぼんオリジナル』 1988年早春の号 表紙絵 ©さくらプロダクション

『りぼんオリジナル』 1988年早春の号 表紙絵 ©さくらプロダクション


 7章構成の特別展は、「ちびまる子ちゃん」に関する扉絵や原稿のほか、序章ではさくらさんのデビュー前に着目。小学校の卒業文集や絵日記などが並び、子ども時代の面影を感じ取ることができる。
 第2章の「ももこのエッセイ」では、日常生活をユーモアあふれる言葉遣いで表現したエッセー集「もものかんづめ」や「さるのこしかけ」などから抜粋した作品の手書き原稿を、縦約2メートル、横3メートルに拡大して紹介。加筆した箇所もみられ、丁寧な執筆活動を想起させる。
 このほか、さくらさんが当時小学1年だった長男の三浦陽一郎さんと合同制作した絵本やカオスな世界観の漫画「神のちから」の関連資料、さくらさんが仕事部屋で愛用していた多岐にわたる私物などを公開している。
 同展の担当者は「さくらさんは讃岐うどんを食べるため、月2回ほど香川を訪れていた時期があったとか。希代のアーティストを身近に感じてほしい」と話している。
 25日まで。入場料は一般千円ほか。問い合わせは高松市美術館、電話087-823-1711。

(四国新聞・2022/12/08掲載)


高松市美術館公式サイト



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