新鮮な地魚を気軽に楽しめる店として幅広い層に親しまれた「いただきさんの海鮮食堂」(香川県高松市茜町)が27日で閉店する。2004年の開店から18年。瀬戸内の魚のおいしさを発信してきた名店が姿を消すことになり、常連客からは惜しむ声が上がっている。


27日で閉店する「いただきさんの海鮮食堂」=香川県高松市茜町

27日で閉店する「いただきさんの海鮮食堂」=香川県高松市茜町


 同店は地魚の消費拡大を求める地元漁師らの声に応えてオープン。店名は魚の行商をする女性たちを指す「いただきさん」から取った。大漁旗やタコつぼなどが飾られた雰囲気ある店内で、素材の味を生かした家庭の魚料理を安価で提供。好きな料理を自由に選べるカフェテリア方式も受け、会社員や観光客らに愛されてきた。
 そんな人気店も新型コロナウイルスの影響で来店客が減少。原料高も響き、苦渋の決断をした。山本泰平社長は「18年間やってきた店をこんな形で閉めるのは惜しい」と悔しさをにじませる。


いただきさんの海鮮食堂の山本泰平社長(左から2人目)ら

いただきさんの海鮮食堂の山本泰平社長(左から2人目)ら


 開店当時から利用していたという香川県高松市前田東町の男性(70)は「地元の魚料理を気軽に味わえる店がなくなるのはさみしい」と惜しんだ。
 同店は12年から本紙の「達人の簡単レシピ 魚編」に協力しており、山本社長は「店は閉めるが、県産魚の魅力発信や食育の活動は今後も続けたい」と話している。

(四国新聞・2022/12/16掲載)



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