工芸界で国内最大規模の公募展「第69回日本伝統工芸展」が、1月2日から香川県高松市玉藻町の香川県立ミュージアムで開かれる。漆芸や陶芸など7部門の入賞・入選作など計200点を展示。香川をはじめ全国の作家が、匠(たくみ)の技と豊かな感性で美を追究した逸品が新春を華やかに彩る。16日まで。


大谷早人「籃胎蒟醬十二角食籠『清流』」(奥行き23センチ×幅23センチ×高さ10センチ)


 8カ所目となる高松展では、重要無形文化財保持者(人間国宝)40人の作品をはじめ、入賞作と四国や香川ゆかりの作家の作品を中心に展示。このうち漆芸部門は、県漆芸研究所の修了生で日本工芸会奨励賞を受賞した神垣夏子(東京都)の「籃胎蒟醬(らんたいきんま)箱『幻想』」など入選した78点全てを展示する。
 地元の人間国宝は山下義人(高松市)と大谷早人(同)が出品。山下の「玉藻城蒟醤水指」は、玉藻城の石垣と堀に向かって伸びる松を題材にした作品で、蒟醤を用いて石垣の質感を際立たせている。大谷の「籃胎蒟醬十二角食籠(じきろう)『清流』」は、水辺を舞うカワトンボを蒟醤で表現し、川面に見立てた細やかな小紋を背景に加飾している。


山下義人「玉藻城蒟醤水指」(径21センチ×高さ17センチ)


 9日午後1時30分からは、福岡県の人形作家・中村信喬が登壇する講演会「祈りのひとがた」(参加無料、要申し込み)がある。会期中は、入選作家がスライドを使って作品解説を行う。日程は▽8日 竹内幸司(香川・漆芸)▽14日 亀田緑光(愛媛・陶芸)▽15日 藪内江美(香川・漆芸)―。各日とも午後1時30分から。
 入場料は一般650円(前売り520円)ほか。問い合わせは香川県立ミュージアム、電話087-822-0247。

(四国新聞・2022/12/21掲載)

香川県立ミュージアム


所在地 香川県高松市玉藻町5-5
開館時間 9時00分~17時00分(入館は16時30分まで)
休館日 会期中無休
観覧料 一般650円、前売・団体(20名以上)520円
高校生以下、65歳以上、障害者手帳をお持ちの方は無料
TEL 087-822-0247


関連情報