高松藩初代藩主・松平頼重の生誕400年を記念したテーマ展「頼重と寺社」が、香川県高松市玉藻町の県立ミュージアムで開かれている。神仏に対して深い信仰心を寄せたとされる頼重の足跡を約40点の史料で伝えている。1月29日まで。


頼重(右)と正室・皓月院が隠居後の姿で表現された木像=高松市玉藻町、県立ミュージアム

頼重(右)と正室・皓月院が隠居後の姿で表現された木像=高松市玉藻町、県立ミュージアム


 同ミュージアムによると、頼重は藩主就任後、志度寺や白鳥宮(現白鳥神社)など領内の寺社に対して保護と統制を行い、高松藩の寺社施策の基本をつくった。その一方で、松平家の仏事を行う法然寺と浄願寺の整備にも取り組んだ。
 さらに、頼重は後水尾上皇の弟である道晃法親王(どうこうほっしんのう)と修験を通じて交流があったといい、頼重が深く関わった寺社には法親王が書いた宮号などが納められている。今展は昨年7月まで開かれた「京と頼重」に続いての実施となった。
 会場でひときわ目を引くのは頼重と正室・皓月院(こうげついん)の木像。当初は高松城下中心部にあった浄願寺に安置されていたが、後に法然寺に移されたもので、二人が隠居後の姿で緻密に表現されている。菩提(ぼだい)寺に肖像画が納められるケースは多いが、立体で残されているのは珍しいという。
 日本武尊(やまとたけるのみこと)を祭る白鳥宮については、頼重が新たに社殿を整備したことなどを解説。道晃法親王が書いた宮号を展示しており、鳥のような形にも見えるユニークな書体に注目が集まっている。御厨義道学芸員は「展示を通じ、藩内の寺社で自らの宗教観を体現しようとしていた頼重の意向がうかがえる」と説明している。
 入場料は一般410円ほか。問い合わせは同ミュージアム、電話087-822-0247。

(四国新聞・2023/01/03掲載)


高松藩主松平頼重生誕400年記念展2「頼重と寺社」(香川県立ミュージアム)



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