香川県丸亀市在住の和凧(だこ)作家、小野善光さん(74)の作品を集めた「凧展」(琴平町文化協会主催)が、仲多度郡琴平町の町立ギャラリー・ACTことひらで開かれている。勇壮な戦国武者を描いた迫力満点の大凧がずらりと並び、来場者を圧倒している。16日まで。無料。


和凧の武者絵について説明する小野さん=琴平町、ACTことひら

和凧の武者絵について説明する小野さん=琴平町、ACTことひら


 讃岐凧天揚会の会長である小野さんは、県内の和凧作りの第一人者。30年ほど前からオリジナルの絵柄を手がけており、華やかな作風にはファンも多い。同会の作品展はJR丸亀駅などで行われてきたが、小野さんの個展は初めて。
 会場には、ここ10年ほどの間の作品や新作約50点を展示。縦約1・6メートル、横約1メートルほどの大凧には、「義経と弁慶」「武田信玄と上杉謙信」といった武者絵を色鮮やかに描き、顔のぼかしや竜のうろこ一枚一枚まで細かく表現している。
 縁起物の「大黒天と恵比寿(えびす)」、歌舞伎の町・琴平に合わせ、ルーツとされる「出雲(いずもの)阿国(おくに)」も出品。竹の骨組みと糸が付いている作品は、どれも実際に揚げることができるという。
 また今回特別に、縦約2・5メートル、横1・5メートルほどの掛け軸に、墨絵の武者絵も描いて展示した。小野さんは「絵が印刷物だと勘違いされることもあるので、着色前の状態も見てほしい」と話している。
 7日午前10時からは、小野さんが墨絵の制作実演を行う。下書きなしに、筆だけで一気に描き上げる様子が見られる。問い合わせはACTことひら〈0877-73-2655〉。

(四国新聞・2023/01/07掲載)



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