香川県綾歌郡宇多津町の四国霊場78番札所・郷照寺(佐藤恒憲住職)は、開創から江戸時代までの寺の歴史を描いた「縁起絵巻」を制作し、境内の休憩所に展示。初詣に合わせた同所開放期間の15日まで一般公開している。


「縁起絵巻を見て、寺をより身近に感じてほしい」と話す佐藤住職=宇多津町、郷照寺

「縁起絵巻を見て、寺をより身近に感じてほしい」と話す佐藤住職=宇多津町、郷照寺


 佐藤住職が2019年、丸亀市のグラフィックデザイナー島俊文さんに制作を依頼。昨年12月上旬、日本画のタッチで描いた約1メートル四方のデジタルアート作品26枚が完成し、うち16枚を休憩所に展示している。
 絵巻では、東大寺大仏の造立に携わった奈良時代の高僧・行基が725年、四国行脚の際に仏教修行の道場として開創したことや、弘法大師が807年に訪れ、厄よけ祈願を行ったことなどを紹介。13世紀後半には時宗の開祖・一遍が宇多津の浜辺で、子どもたちがこま遊びをする姿を見て悟りを開いたり、室町時代に足利義満を支えた管領・細川頼之が同寺を保護したりと、歴史上の人物たちと深い関わりがあったことも知ることができる。
 佐藤住職は「今年は弘法大師生誕1250年の記念の年。大師との縁がある寺を知ってもらい、より身近に感じてほしい」と話している。

(四国新聞・2023/01/03掲載)


郷照寺



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