言葉の視覚化をテーマにした企画展「コトバがみえる」が、香川県高松市塩江町の市塩江美術館で開かれている。同館のコレクションの中から文字を題材にした版画やメッセージ性の高い書作品など約20点を展示することで、表現の多様性を浮かび上がらせている。2月5日まで。


言葉の視覚化をテーマに作品を集めた企画展=高松市塩江町、市塩江美術館

言葉の視覚化をテーマに作品を集めた企画展=高松市塩江町、市塩江美術館


 交流サイト(SNS)への投稿文など、さまざまな言葉がクローズアップされる現代社会で、使い方次第では人を傷つけたり、励ましたりできる言葉のあり方を見つめ直してもらおうと企画した。
 このうち、高松次郎の版画「THESE THREE WORDS」は、タイトルと同じ三つの単語を紙の中央に表記。それ以外の意味や情報を画面から排除することで、言葉そのものの存在の大きさ、強さを浮き彫りにしている。
 詩人・坂村真民の書「念ずれば花ひらく」は、「苦しいとき 母がいつも口にしていた」と続く詩の冒頭。軽やかな筆致からは、人を励ます言葉の力がダイレクトに伝わる。このほか、本を開いて眠る女性を描いた猪熊弦一郎の版画や、幕末~大正にかけて活躍した儒学者藤沢南岳の力強い書などが並ぶ。
 入場料は一般300円ほか。21日午後1時30分から学芸員の展示解説がある。問い合わせは同館、電話087-893-1800。

(四国新聞・2023/01/12掲載)


企画展「コトバがみえる」(高松市塩江美術館)



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