香川県丸亀市一番丁の丸亀市立資料館で14日から、開館50周年記念企画展「表装の美」が開かれる。絵画や書跡を鑑賞できるように掛け軸などに仕立てる表装に着目し、作品の素晴らしさとともに「表具師」と呼ばれる職人の技の繊細さも紹介する。2月19日まで。


来館者に贈呈するオリジナルの一筆箋=香川県丸亀市一番丁、市立資料館

来館者に贈呈するオリジナルの一筆箋=香川県丸亀市一番丁、市立資料館


 丸亀市立資料館によると、絵画や書跡などを美しく飾り、保管にも便利な表装の歴史は古く、仏教の伝来とともに布教などに使われたことが始まりとされる。表装に使われる裂(きれ)は床の間の登場や茶の湯の発展とともに表具用に織られたものへ変化し、明治、大正期に最盛期を迎えた。
 今展では掛け軸などに仕立てられた横山大観や菊池寛の絵画や書など計62点を展示。同館で所蔵している江戸時代の文学者、井上通女(つうじょ)の和歌や昭和期に活躍した画家、山下紅畝(こうほ)の絵画は展示に合わせて仕立て直し、掛け軸づくりの工程を示すパネルも設置した。
 入館は無料。来館者には展示作品をモチーフに作製したオリジナルの一筆箋を贈呈(先着千人)。関連企画として15日午前10時半から館内でお茶会を開催(無料、先着150席)。22日と2月12日にはいずれも午後1時半から作品の見どころなどを解説するギャラリートークも開く。
 開館時間は午前9時半~午後4時半。月曜休館。問い合わせは丸亀市立資料館〈0877-22-5366〉。

(四国新聞・2023/1/14掲載)



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