香川県土庄町大部の山あいにプロクライマーが注目するロッククライミングエリア「赤嶽(あかだけ)」がオープンした。高低差約50メートル、全幅約300メートルの硬質な安山岩の岩場で、多彩な登攀(とうはん)ルートを設定できるのが特長。整備した小豆島クライミング協会(本部・東京)の担当者は「岩場の規模や質、コースの難度全てが世界トップクラス。各地から大勢のクライマーに足を運んでもらい、地元との交流促進にもつなげたい」と力を込める。


新しいクライミングエリア「赤嶽」。高さ約50㍍、全幅約300㍍で多彩な登攀ルートがありトップクライマーが注目している=香川県土庄町大部

新しいクライミングエリア「赤嶽」。高さ約50㍍、全幅約300㍍で多彩な登攀ルートがありトップクライマーが注目している=香川県土庄町大部


 赤嶽は大部港(土庄町大部)から寒霞渓(小豆島町神懸通)に上がっていく県道31号近くにあり、標高は約430メートル。岩が赤っぽく、岩肌が西向きで夕日を受けて赤く輝くことから、地元でそう呼ばれている。岩場は自然のままの部分と、昭和の一時期に採石場として削られた部分が混在しているという。


西側から見た赤嶽の全景。赤っぽい岩肌が特徴

西側から見た赤嶽の全景。赤っぽい岩肌が特徴


 小豆島クライミング協会は、地元の登山家や世界各地で活躍するトップクライマーらで組織した小豆島クライミング協議会を母体に昨年9月に設立。協議会発足以前から一部のメンバーが良質な岩場の多い島内を探索し、2014年5月に赤嶽を見つけた。8年余りをかけて風化した部分を削り、安全確保のための金属プレートを打ち込むなどしたほか、県道沿いに駐車場を、そこから岩場までの約1・5キロ区間(徒歩約30分)に誘導路を整備するなどしてオープンにこぎ着けた。
 昨年11月20日に同町大部の大部体育館であったオープンングセレモニーには同協会メンバーや地元住民ら約40人が出席。協会の担当者が中・上級者向けのクライミングエリアとして整備してきた経緯などを説明した。また、定期的なイベントなどクライマーと地元住民が交流できる機会を設けることを提案した。
 12、13年にクライミングワールドカップのリード部門で2連覇を果たした安間佐千さん(33)=埼玉県入間市=は「国内とは思えないスケール感がある岩場。世界各地から腕のある選手が大勢訪れる様子が目に浮かぶ」と第一人者として高く評価。大部地区協議会長の山口真澄さん(81)は「地元が活気づく起爆剤になることを期待している」とほほ笑んだ。
 赤嶽は初心者の入山不可。入山料は300円で駐車場に設置している料金箱に投入する。問い合わせは小豆島クライミング協会〈official@shodoshimaclimbing.com〉。

(四国新聞・2023/1/14掲載)




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