金刀比羅宮 4月から若冲展 9年ぶり奥書院公開
香川県琴平町の金刀比羅宮(琴陵泰裕宮司)は16日、江戸中期の絵師・伊藤若冲(じゃくちゅう)(1716~1800年)の作品「百花図」などが収められた金刀比羅宮奥書院の特別展「お待たせ!こんぴらさんの若冲展」を、4月8日から6月11日まで開催すると発表した。奥書院の一般公開は9年ぶりで、国内外で評価の高い若冲の作品を見られる貴重な機会とあって、注目を集めそうだ。
若冲は緻密な描写や独特の色彩感覚が特徴で、「奇想の画家」として人気が高い。奥書院には若冲のほか江戸後期の絵師・岸岱(がんたい)らの作品があり、前回の一般公開には3カ月間で約1万人が来場した。
百花図は1764年の作で、6畳ほどの「上段の間」の壁やふすまに、ツバキやボタン、ユリなど201点もの花々が描かれた作品。拝観希望が多く寄せられていたが、劣化が目立ち始め2021年11月から修復を行っている。作業は今年3月に完了する。
奥書院では、岸岱の「群蝶の図」「柳に白鷺の図」なども展示。また同じく通常非公開となっている白書院では、幕末期の絵師・冷泉為恭(れいぜいためちか)の「天井龍図」を公開する。このほか表書院で、江戸中期の絵師・円山応挙の「遊虎図」などを見ることができる。
琴陵宮司は「ようやく修復から返ってきて、9年ぶりに貴重な文化財を公開することに決まった。ぜひ足を運んでいただければ」と話している。
入場料は奥書院、白書院、表書院合わせて2千円。高校生・中学生千円、小学生以下無料(大人の保護者同伴が必要)。新型コロナウイルス対策として、1時間ごとの入れ替え制とする。チケットは2月1日から専用サイトで予約できる。詳しくは金刀比羅宮のサイトまたは総務課〈0877-75-2121〉。
(四国新聞・2023/1/18掲載)