香川県高松市の現代美術家、浜野年宏さん(85)が、本津川や市西部の山々と、周辺で見られる植物を題材にした大型屏風(びょうぶ)「花浄土」を制作。18日に仕上げの署名を入れ、同市飯田町の光明寺(松尾修浄住職)に奉納した。


「花屏風」に込めた思いを話す浜野さん(左)=高松市飯田町、光明寺


 浜野さんは同寺の門徒で、2015年に参拝した際に屏風の制作を思い立ち奉納したいと申し出たところ、松尾住職も歓迎。構想に5年、制作に2年半をかけ、高さ1・9メートル、横3・9メートルの6曲1隻の屏風に仕立てた。
 特注の越前和紙に、伝統的な日本画の岩絵具や金銀のほか、アクリル絵の具も使用。光明寺の外観と、ハスや桜、フジなど仏教に縁の深い花や、コスモスなど洋の花も含めて、近隣で見られる植物16種を描いた。
 18日は同寺の本堂で、浜野さんが門徒ら約20人を前に金泥で署名。浜野さんが「屏風に命を込めたい」と松尾住職に相談し、本尊の阿弥陀如来の姿を屏風中央部の下地に描いたという秘話も明かした。
 浜野さんは「東洋と西洋、伝統と現代といった概念を融合させた“和”の精神こそが、混迷する世界にとって大切。その思いを、このお寺から発信したい」と話していた。
 同寺では3月25日午後1~4時と、26日午前9時~午後4時に一般公開する予定。拝観料500円。

(四国新聞・2023/01/19掲載)



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