線と図形に「風」感じて タケカミモク(高松)個展 石の民俗資料館・来月12日まで
心で見る自然の具象化をテーマに作品を制作する香川県高松市のアーティスト・タケカミモクの個展が、高松市石の民俗資料館(高松市牟礼町)で開かれている。直線と図形を組み合わせる独自の手法で「風」を表現した意欲作が独創的な空間を創りだしている。2月12日まで。
タケカミの制作手法は、紙にペンで無数の直線を引き、その紙を立体的に貼り合わせて図形を作り、土台のウッドパネル上に組み立てるというもの。
約40年にわたって油彩画を描いていたが、「同じ手法では西洋絵画の大家の域に到達できない」と考え、1992年ごろから絵画をゼロから見直して試行錯誤し、現在の手法にたどり着いたという。近年は風の具象化をテーマに交流サイト(SNS)上で作品を公開している。
会場には新作をはじめデッサン画など約80点を展示。さまざまな方向、異なる密度で線が描かれた図形が組み合わさり、力強く吹く風や自由奔放に交錯する風を捉えたかのような力作が並ぶ。過去の作品も展示して作風の変遷が分かるようにしたほか、図形を組む過程の体験コーナーも設けた。
タケカミは「形のないものをどう表現するかを追究してきた。気軽に鑑賞して作品の中にある風を感じてほしい」と話している。
入場料は一般200円ほか。問い合わせは同館、電話087-845-8484。
(四国新聞・2023/01/19掲載)