香川県三豊市詫間町の荘内半島にある紫雲出山が、フランスを代表する日刊紙「ル・フィガロ」電子版に「日本で桜を観賞するのに最も美しい場所」の一つとして写真入りで掲載された。記事では「千本桜」で知られる奈良県の吉野山、神奈川県の小田原城、福岡県の舞鶴公園など計6カ所が選ばれ、紫雲出山は「地中海のような眺め」として最初に紹介されている。


「ル・フィガロ」電子版に掲載された紫雲出山の桜と瀬戸内海の島々の写真(写真提供・三豊市観光交流局)


 紫雲出山は2019年、桜が咲き誇る山頂から瀬戸内海の島々を望む写真が米紙ニューヨーク・タイムズに掲載されて話題となり、絶景スポットとしてひときわ人気を集めている。
 ル・フィガロ側から昨年に「日本の桜の特集を企画しており、ニューヨーク・タイムズに載った画像の提供は可能か」と、瀬戸内海沿岸7県の観光振興を進める「せとうちDMO」を通じて市観光交流局に打診があった。同局が提供した画像は、紫雲出山を紹介する記事のメイン写真として使われ、他の5カ所と共に12月14日に掲載された。
 紫雲出山の部分では、地元香川県を「日本の四つの島の中で最も人口が少ない四国にあり、瀬戸内海に面していてオリーブやかんきつ類の栽培が盛ん。日本の地中海と呼ばれている」と紹介。紫雲出山については「千本の桜が植えられ、山頂から望む海は沈みゆく太陽と光が相まってピンク色に染まる」と伝えている。
 掲載写真は、さぬき市志度の喫茶店オーナー松本省五さん(73)が11年に撮影し、同局主催のコンテストで入賞した作品。ピンク色の桜並木と春がすみに浮かぶ島々のコラボが一幅の絵画のように美しい。
 同局は「フランスの著名な新聞に取り上げられ、古里が世界に誇れる場所なんだと改めて自信をもらった」としている。

(四国新聞・2023/01/19掲載)


紫雲出山



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