香川大学創造工学部の学生8人が琴平町出身の画家・和田邦坊(1899~1992年)の作品をモチーフに、灸まん美術館(香川県善通寺市)のオリジナルクッキーのパッケージデザインを作成。19日から同大(香川県高松市幸町)の生協で販売が始まった。同美術館と共同で取り組むプロジェクトの一環で、学生たちは「学生視点で邦坊作品に親しめるように仕上げているので、注目してほしい」と話している。


パッケージデザインを考案した「酒かす」クッキーを持つ香川大創造工学部の学生たち=高松市幸町、香川大


 同プロジェクトは、邦坊が手がけた絵画の色の濃淡や大胆な筆遣いなどをAIで分析し、その特徴をまとめたコンセプトブックを制作する取り組みで、デザイナーに創作活動の“参考書”として活用してもらうのが狙い。デザインを専門とする同学部の大場晴夫教授と人工知能(AI)の応用研究を専門とする喜田弘司准教授の2研究室が、邦坊作品を多く所蔵する同美術館の協力を得て2020年に始動した。
 クッキーは同美術館が手がけるオリジナルスイーツで「酒かす」「赤みそ」「よもぎ」の3種類。学生がそれぞれの味のイメージに合う邦坊作品を約400点の中から厳選し、コンセプトブックを活用した上で筒形のパッケージにデザインした。
 このうち琴平の銘酒を使った「酒かすクッキー」のパッケージには障壁画「讃岐の松」をモチーフに選び、墨で描かれた力強い松で酒かすの渋さを表現した。邦坊が多用した赤や青色で丸い模様をあしらった「赤みそクッキー」も目を引いている。
 1個650円で同美術館でも販売。同大生協での販売は3月18日までの予定。

(四国新聞・2023/01/20掲載)



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