国の伝統的工芸品に指定されている「丸亀うちわ」にスポットを当てた写真展が、香川県高松市上林町の大西・アオイ記念館で開かれている。伝統技法を用いて製作する職人を捉えた力作約60点が並び、江戸時代から受け継がれている竹などを使った「用の美」が完成するまでのプロセスを伝えている。29日まで。


丸亀うちわの製作風景を紹介する写真展=香川県高松市上林町、大西・アオイ記念館

丸亀うちわの製作風景を紹介する写真展=香川県高松市上林町、大西・アオイ記念館


 写真展は県内の愛好家4人でつくる「讃岐写真作家倶楽部(くらぶ)」(浪越英司代表)が開催。香川県内の地場産業をテーマに開いており、6回目となる今回は丸亀うちわの製作過程を後世に残そうと企画した。
 今展では、8代続く丸亀市のうちわ作家茂木伸彰さんや香川県伝統工芸士らの作業現場を撮影した意欲作を厳選して展示。うちわ作りの全47工程のうち、骨組みとなる竹を糸で編む繊細な作業や、和紙を貼り付ける様子などをピックアップしたほか、地元うちわ産業の功労者とされる丸亀藩士、瀬山登の銅像の写真も紹介している。
 会場には実物のうちわも約50点が並んでおり、多彩な形状や大きさ、図柄が見て取れる。浪越さんは「単にあおぐための道具ではなく、使う人が楽しめる工夫が施されている。写真展が丸亀うちわの魅力を見直すきっかけになれば」と話している。
 入場料は100円。問い合わせは大西・アオイ記念館、電話087-880-7888。

(四国新聞・2023/1/23掲載)



関連情報