手作りうちわ工房「茂木団扇」(香川県丸亀市土器町)の8代目・茂木伸彰さんによる作品展が、香川県高松市上福岡町の讃岐漆芸美術館カフェギャラリーで開かれている。丸亀うちわを使った行灯(あんどん)や小物置きなどユニークな作品が並び、来場者の注目を集めている。2月5日まで。


華やかなデザインをあしらった大うちわに見入る来場者=香川県高松市上福岡町、讃岐漆芸美術館

華やかなデザインをあしらった大うちわに見入る来場者=香川県高松市上福岡町、讃岐漆芸美術館


 茂木さんは祭事用の大うちわを手がける国内唯一の職人。新型コロナウイルスの影響で各地の祭りやイベントが中止になり、国の伝統的工芸品「丸亀うちわ」の注文が大幅に減少したことを受け、うちわのさまざまな用途を知ってもらうきっかけづくりとして作品展を企画した。
 会場には、デザイナーとコラボして奉公さんや張り子の虎など香川の民芸品をポップな色合いであしらった大うちわがずらり。また、静岡県の老舗うなぎ屋監修の下、制作した炭火用渋うちわや、うちわの制作技法を応用した小物が置ける銘々皿など日常のあらゆる場面で楽しめる計約30点を展示している。
 このうち「うちわ灯(あか)り・三角行燈(あんどん)」は、白や薄緑色などの手すき和紙を貼ったうちわ3枚を立体的に組み合わせ、その中にライトを設置。温かな光が放たれており、来場者はじっくりと見入っていた。茂木さんは「丸亀うちわの新たな可能性を感じて、日常生活に取り入れてもらえたら」と話している。

(四国新聞・2023/1/23掲載)



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