桃の節句(3月3日)に合わせ、香川県綾歌郡宇多津町の古街(こまち)エリアを華やかなひな人形などで飾るイベント「うたづの町家とおひなさん」が4、5の両日、町役場周辺で開かれる。新型コロナウイルスの影響で、本格的な開催は4年ぶり。同実行委は「町内外から大勢の来場者を迎えられることにわくわくしている」と盛況を期待している。

 同イベントは、虫籠(むしこ)窓や出格子などをあしらった町家が並ぶ古街エリアの魅力を町のにぎわい創出に生かそうと、町民有志らでつくる実行委が2004年から実施している。新型コロナ感染拡大を受け20年、22年は中止、21年は規模を縮小して展示会場を3カ所に絞ったが、20年目の節目となる今回、4年ぶりに通常開催できることとなった。
 今年は民家や商店など64カ所に、明治期から現代までの多種多様なひな人形を展示する。3日には準備が佳境に入り、各会場で展示内容の確認などを行った。


桃の花や振り袖などとともに、色とりどりのひな人形で飾り付けられる会場=宇多津町、こめっせ宇多津

桃の花や振り袖などとともに、色とりどりのひな人形で飾り付けられる会場=宇多津町、こめっせ宇多津


 町役場西隣のイベントスペース・こめっせ宇多津では、ステージの四方にそれぞれ種類の違うひな人形を展示。三人官女や五人ばやしがそろう一般的なひな飾りや、大正期に作られた紙びななどが並び、華やかな雰囲気で来場者を楽しませる。町保健センターには宇多津小や香川短期大付属幼稚園などに通う子どもたちが制作した作品を出展したほか、五月人形で飾り付けた一風変わった民家もある。


子どもたちが手がけた愛らしいひな人形が並ぶ会場も=宇多津町、町保健センター

子どもたちが手がけた愛らしいひな人形が並ぶ会場も=宇多津町、町保健センター


 あみのうら交流センターでは両日、ダンスや和太鼓演奏などのステージイベントを開催。5日午後1時からは、宇夫階(うぶしな)神社から同センターまでを打ち掛け姿の花嫁が練り歩く「うたづの嫁入り福あるき」も行う。
 実行委の大岩本洋子会長(73)は「数々の個性的なひな人形を眺めつつ、宇多津の町並みも楽しんでほしい」と話している。

(四国新聞・2023/03/04掲載)


第20回うたづの町家とおひなさん(宇多津町)



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