大阪芸大舞台芸術学科の学生によるミュージカル「朝が来るまで夏の夜の夢」が17日、香川県高松市玉藻町のレクザムホール小ホールで開かれる。総合監修を務めるのは同大教授で俳優の浜畑賢吉さん(80)。20年ほど前から香川県観音寺市で舞台の演出を手がけるなど演劇普及に携わっている縁もあり、香川での公演を決めたという。浜畑さんは上演を前に「香川の皆さんに演劇の可能性を伝えたい」と意気込みを語った。


「香川の皆さんに演劇の可能性を伝えたい」と意気込みを語る浜畑賢吉さん=香川県高松市中野町、四国新聞社

「香川の皆さんに演劇の可能性を伝えたい」と意気込みを語る浜畑賢吉さん=香川県高松市中野町、四国新聞社


 「朝が来るまで-」はシェイクスピアの恋愛喜劇「夏の夜の夢」を基に、新型コロナウイルス下の同大生の奮闘ぶりを描いた作品。コロナの影響で公演が中止になり、舞台を解体する場面からストーリーが始まり、次の上演を目指して再び立ち上がる学生の姿をポピュラーダンスや華やかな歌で表現しているという。
 浜畑さんは「シェイクスピアの夏の夜の夢はロンドンで黒死病が広がり、劇場が閉鎖に追い込まれた時代に市民に元気になってもらおうと執筆された作品」とした上で、「当時の状況と通ずる今だからこそ、見る人に勇気を与えたい」と上演の意図を強調した。
 役者やダンサーをはじめ、舞台美術などのプロを育成する同学科の特長を生かし、ステージ制作の裏側にも理解を深められる構成も見どころだ。
 学外公演は同学科3年生が学びの成果を披露するため毎年開催しているが、コロナで3年ぶりとなった今回は昨年公演ができなかった4年生もオーディションを経て参加。高松市出身の公文凜香さん(22)もその一人で、ミュージカルコースで磨き上げた歌声をソロで披露するという。
 浜畑さんは俳優座養成所や劇団四季を経て、舞台やテレビ、ラジオで活躍。香川県内でもミュージカルの演出・脚本を手がけるなど、後進の指導にも力を注いでいる。

 メモ=午後1時開演。入場料は一般1500円(前売り千円)。チケットぴあで販売。高校生以下は無料だが予約が必要。問い合わせは大阪芸大舞台芸術学科、電話0721-93-3781。

(四国新聞・2023/03/09掲載)



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