個性あふれるオリジナルの妖怪造形作品を対象にした「第6回妖怪造形大賞」の審査発表会が13日、香川県小豆郡土庄町の妖怪美術館であり、千葉県松戸市の自営業、杉山幸則さん(55)の作品「春風龍(しゅんぷうりゅう)」が最優秀作品賞に輝いた。杉山さんは前回から2回連続での最優秀獲得となった。


最優秀作品賞に輝いた杉山さんの「春風龍」

最優秀作品賞に輝いた杉山さんの「春風龍」


 同賞は小豆島の活性化に取り組むアートプロジェクト「MeiPAM(メイパム)」などが実行委を組織し、2013年から開催。新型コロナウイルスの感染拡大の影響などで18年以来5年ぶりの開催となった今回は、全国の7~65歳から75点の応募があった。この日は1次審査を通過した32点を審査した。
 審査は横浜ブリキのおもちゃ博物館長の北原照久さんを委員長に、フィギュア制作メーカー海洋堂の宮脇修一専務、妖怪美術館の館長・柳生忠平さんら8人が行い、造形の技術やデザイン性、妖怪誕生の背景を説明した物語性などを評価。最優秀作品賞や審査員特別賞などを選んだ。


寄せられた妖怪作品を審査する北原さん=香川県小豆郡土庄町

寄せられた妖怪作品を審査する北原さん=香川県小豆郡土庄町


 杉山さんの「春風龍」は春の風に乗って舞い上がる雄々しい龍と、その様子を見上げる女性や桜の花を紙粘土や合成樹脂、発泡スチロールを組み合わせて精緻に表現。力強さに加え、明るい未来を感じさせる点が高く評価され満場一致で最優秀に決まった。優秀作品賞には大阪府堺市の自営業、一花(いっか)さん(35)が「いいね」のポーズをデザインした「妖怪いいね!いいね!」が選ばれた。
 北原さんは総評で「新型コロナの閉塞(へいそく)感を打破しようと、工夫を凝らした力作が多く集まった。妖怪も年々進化しており、頼もしく感じる」と述べた。
 1次選考を突破した32点は土庄町の妖怪美術館で14日から一般公開する。入場料は大人2900円、中高生1450円。小学生以下無料。問い合わせはMeiPAM、電話0879-62-0221。

(四国新聞・2023/03/14掲載)


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