こんぴら案内図ずらり 琴平 江戸期からの30点展示
江戸時代から昭和期までの金刀比羅宮(香川県仲多度郡琴平町)への観光案内図を集めた「こんぴら絵図展」(町文化財保護協会主催)が、同町の町立ギャラリー・ACTことひらで開かれている。街並みの変化や発行当時のにぎわいを感じさせる絵図が、来場者の興味を引いている。28日まで。
こんぴら絵図は、こんぴら参りが全国で盛んになった江戸時代から、参拝者向けの土産物として販売されており、地元だけでなく京都や大阪の業者も発行していた。今回は、町内の収集家から複製品約30点を借り受け展示した。
会場には、白黒や多色刷り、江戸時代の木版画や明治期以降の銅版画や石版画などバラエティーに富んだ絵図がずらり。京都や大阪からの参詣道を案内した絵図では、下津井(岡山県)、丸亀、五剣山(高松市)などの立ち寄りスポットが挿絵とともに紹介されている。道中の宿所に番号を振り、すごろく仕立てにしたユニークな絵図も並ぶ。
また境内の建物の名称や配置を詳しく示した絵図、周辺の名勝地を案内した絵図も。芝居小屋(金丸座)の前に人だかりができている様子や開通したばかりの鉄道が描かれたり、詐欺に引っかからないよう参拝者に呼びかけた一文が添えられたりしており、訪れた人たちはささやかなタイムスリップを楽しんでいる。
(四国新聞・2023/03/25掲載)