香川県高松市出身で、20年以上にわたりヨーロッパで芸術交流に関わってきた長尾周二さんが、28日から高松市内の2会場で個展を開く。車で国内外を旅しながら作家活動を行ったことから“放浪の画家”とも称される長尾さんが、同市内などでスケッチした水彩画など20点を展示する。


香川県高松市塩江町でスケッチした作品「渓流」

香川県高松市塩江町でスケッチした作品「渓流」


 長尾さんは1951年生まれ。大手自動車会社のデザイン課を中途退社した後、国内や欧州をワンボックスカーで回る放浪の画家となった。フランスやイタリアで小学校などに招かれて芸術交流を行う活動が評価され、2010年にフランス・ブラッシュ市名誉市民の称号を受けた。現在は群馬県安中市に拠点を置き、中学校跡地を利用して自身や交流のある芸術家の作品を観覧できる「ミュゼ松井田」を運営している。
 今回の個展では、2会場のうち高松市上林町の大西・アオイ記念館で約15点を展示。中でも、水墨画を思わせる「渓流」は同市塩江町でスケッチした作品で、岩肌を乗り越える豪快な水流が目を引く。また、フランスで「モネのようだ」といわれたという色彩豊かな小品なども公開。賛助出品として、ピンクを基調とした作品で知られる現代作家・佐藤ひろみさんの造形作品も展示する。(4月9日まで)
 31日からは、第2会場として同市田町商店街の「ギャラリーフォレスト」でも、大型の作品1点と小品を10点ほど展示する予定。同会場では、4月5日までの期間中の土日に佐藤さんも来場し、パフォーマンスを予定している。
 問い合わせは大西・アオイ記念館、電話〈087-880-7888〉。

(四国新聞・2023/03/27掲載)

大西・アオイ記念館


ギャラリーフォレスト



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