弘法大師空海の誕生1250年を祝おうと、香川県善通寺市吉原町の四国霊場73番札所・出釈迦寺(岡田幸恵住職)は1日から、秘仏の木像3体を本堂横の部屋で開帳する。このうち弘法大師像と釈迦(しゃか)如来像は初公開。岡田住職は「中でも弘法大師像は寺の歴史をひもとく重要な像。ぜひ生で目にして、寺や仏教に興味をもってもらえたら」と話している。


弘法大師空海の誕生1250年に合わせて公開される(右から)弘法大師像、釈迦如来像、不動明王像=香川県善通寺市吉原町、出釈迦寺

弘法大師空海の誕生1250年に合わせて公開される(右から)弘法大師像、釈迦如来像、不動明王像=香川県善通寺市吉原町、出釈迦寺


 同寺は、我拝師山の麓にある幼少時の空海ゆかりの寺。山上にある奥の院捨身ケ嶽(しゃしんがだけ)禅定では、幼少時の空海が断崖絶壁から身を投げ、釈迦如来と天女に助けられたとされる。
 弘法大師像は高さ約80センチで、若々しさが感じられるのが特徴。台座に残っていた墨書によると、江戸時代初期、山上から麓の現在地に同寺が移された際に像が寄進された。山上の札所は現在の奥の院になった。
 釈迦如来像は奥の院の本尊で、高さ約70センチ。不動明王像は高さ約150センチで、藤原時代の作の市指定文化財。普段は奥の院まで上がらないと見られない。
 公開は春と秋に行い、春期は5月末まで、秋期は10、11月。拝観料600円。拝観時間は午前9時から午後3時まで。期間中は特別御朱印(300円)を授与する。問い合わせは同寺0877-63-0073。

(四国新聞・2023/04/01掲載)



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