香川県産ブランドの「讃岐さーもん」など全国でご当地サーモンが人気を集める中、香川県香川郡直島町の飲食店が島の新たな特産品にしようと、直島育ちのトラウトサーモン「なおしまサーモン」を今春から売り出している。新型コロナウイルスで落ち込んだ客足が戻り始めている中、観光客らに味覚で旅の思い出を刻んでもらおうとPRを図っている。


今春からご当地グルメとして売り出している「なおしまサーモン」と堀内さん=直島町


 取り組んでいるのは、水産業とともに、宮浦港前で飲食店を営む堀内健司さん(59)。ヒラメの養殖などを行ってきたノウハウを生かして昨春、県水産試験場から約5センチのサーモンの稚魚を譲り受けて養殖を始めたところ見事成功。ご当地グルメとして店で販売することにした。
 養殖はサーモンの習性を踏まえ、最初は井戸からくみ上げた淡水を使用。大きさに合わせて徐々に海水に切り替え、現在は最大で約1・5キロまで成長した約2千匹を育てている。店では朝に締めた新鮮なものを刺し身にして提供しており、「身は脂が乗ってぷりぷり、ほんのり甘くておいしい」などと、客からの評判も良いという。


「なおしまサーモン」を使った刺し身定食


 今後はテイクアウトもできるようにサンドイッチや唐揚げ、スモークサーモンなどの販売を検討。手土産として真空パックにすることも考えている。
 堀内さんは「船や島々、アート作品などを見ながら味わって、楽しい旅の思い出をつくってもらいたい」としている。

(四国新聞・2023/04/17掲載)



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