三豊中央観光バス(香川県観音寺市、高嶋真也社長)は、車いすに乗ったまま車内で昇降できるエレベーター付きの貸し切りバスを導入した。中四国のバス事業者で初めてとしており、障害者や高齢者に快適に旅行を楽しんでもらう。


車いすに乗ったまま車内で昇降できるエレベーター付きの貸し切りバス=観音寺市池之尻町、三豊中央観光バス本社


 導入したのは三菱ふそうトラック・バス製の大型バス1台。エレベーターは幅80センチ、長さ130センチで、トランクルームの位置に備え付け、90センチの高さを上下する。積載可能重量は230キロ以内。操作は乗務員が行い、リフト付きバスと違って、車いす利用者は雨風にさらされることなく乗り降りできる。
 乗車定員は43人。車いすは2台まで乗せられ、車内に専用スペースを設けて調節する。導入費用は約6千万円。3月下旬から運行を開始した。
 同社は、事故によるけがのために車いす生活を送る社会福祉法人ラーフ理事長の毛利公一さん=同市=らの意見を聞きながら、3年前からエレベーター付きバスの導入を検討してきた。高嶋社長は「年齢や障害があるかどうかにかかわらず旅行に参加できる『ユニバーサルツーリズム』の実現は交通事業者の使命だと思っている。誰もが気軽に楽しめる旅行を提案していきたい」と話している。
 今後、小グループや家族にも対応できるようにエレベーター付きの小型バスの導入も計画している。
 エレベーター付きバスに早速、試乗した毛利さんは「私たちにとってありがたく、バスの真ん中で他のお客さんと一緒に乗れるのがうれしい。周りの景色がよく見え、とてもわくわくする」と感想を語り、「エレベーター内にセンターラインやミラーがあれば、より安心できるのでは」と気付いた点を伝えていた。

(四国新聞・2023/04/17掲載)


三豊中央観光バス


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