アーティストが海洋環境調査に参加した経験から着想を得て制作した作品を紹介する「TARA JAMBIO ART PROJECT(タラジャンビオアートプロジェクト)展」が香川県三豊市詫間町の粟島の旧粟島小学校で開かれている。12人が絵画や工芸、写真、ミュージックビデオなど多彩なジャンルの作品を通じて海の世界を可視化し、海を守ることの重要性を発信している。開廊日は30日までの土日祝日。


写真絵画作品の「作りすぎた夢」

写真絵画作品の「作りすぎた夢」


 気候変動や環境問題が及ぼす海洋への影響を研究しているフランスの「タラオセアン財団」の日本支部「タラオセアンジャパン」が開催。東京芸術大の日比野克彦学長が監修し、マイクロプラスチック汚染の調査「TaraJAMBIO(タラジャンビオ)マイクロプラスチック共同調査」に参加したアーティストが出展している。

 上川桂南恵さんと武田萌花さんによる絵画インスタレーション「to see/sea」&「メジナの絵」は、足元の仕掛けが振動して、船の上で迫ってくる魚たちを見ているような感覚になる作品。「海へ行き、見る」という一方向の視点だけでなく、「海の方から見つめられる」という視点を表現している。


絵画インスタレーション作品の「to see/sea」&「メジナの絵」

絵画インスタレーション作品の「to see/sea」&「メジナの絵」


 佐野桃和子さんの「作りすぎた夢」がタイトルの写真絵画は2枚組み。「私たちは(中略)先を見ることなく、一瞬の豊かさを追い求めていた。陸で作られたプラスチックは、川を流れ、時代を超えて、海へとたどり着く」などとメッセージを寄せている。
 同調査は、全国の大学所属の臨海実験施設の連携組織「JAMBIOマリンバイオ推進機構」と協力し立ち上げた日本発のローカルプロジェクト。日本沿岸海域のマイクロプラスチック汚染の定量調査と沿岸生態系への影響の研究を2020年から実施している。
 開廊時間は午前10時~午後4時45分。入場無料。

(四国新聞・2023/04/22掲載)



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