香川県高松市玉藻町の県立ミュージアムで、22日から特別展「空海―史上最強、讃岐に舞い降りた不滅の巨人」(同ミュージアム主催)が開かれる。国宝10点、重要文化財15点などを含む空海ゆかりの書や工芸品、密教美術の優品など計60点を展示。21日には同所で開会式と内覧会が開かれ、事前に申し込んだ一般客と関係者ら約100人が真剣な表情で学芸員の解説に聞き入った。


国宝や重要文化財の数々に見入る来場者=香川県高松市玉藻町、香川県立ミュージアム

国宝や重要文化財の数々に見入る来場者=香川県高松市玉藻町、香川県立ミュージアム


 弘法大師空海の生誕1250年記念として、総本山善通寺、四国新聞社などとの共催で開催。
 展示品のうち、ビャクダン製の仏像「諸尊仏龕(ぶつがん)」の前では、ごく細密な彫刻を確認しようと双眼鏡持参でケースをのぞき込む人も。空海が自ら筆を振るった書や中国に持ち込んだノートなど地方ではめったに目にすることのできない国宝が一堂にそろい、来場者は興味津々の表情で見入っていた。
 千葉県から訪れた文化財修復家、保坂紗智子さん(38)は「空海が書き損じた跡も見られ、人間らしいぬくもりを感じた」と感動した様子。多度津町の団体職員、森本利治さん(70)は「新型コロナウイルス感染症が落ち着いたことで、このような内覧会に参加できうれしい。(国宝の)一字一仏法華経序品(ほけきょうじょほん)など貴重な作品が今も残されているのが本当に素晴らしい」と話していた。
 同展は、前・後期に分けて5月21日まで開かれる。

(四国新聞・2023/04/22掲載)


香川県立ミュージアム



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