和田邦坊の技に感嘆 版画刷りの実演間近に 坂出
展示会「和田邦坊と木版画」を開催している香川県坂出市駒止町のかまどホールで14日、邦坊の代表作を題材にした版画刷りの実演が行われた。来場者は木版画が刷り上がるまでの過程を目の当たりにすることで、邦坊の作品について理解を深めた。
展示会は、琴平町出身の画家、和田邦坊の生誕120周年を記念し、名物かまど(坂出市)が28日まで開催中。1951年に同社が始めた「かまど茶会」の土産物で、邦坊が手掛けた木版画の飾りうちわと色紙などを紹介している。
版画刷りの実演は、邦坊の作品により親しんでもらおうと開催。邦坊の版木作りを担った武田三郎に師事した高松市の版画家、尾形恭介さん(71)が講師を務めた。
この日の題材は69年のかまど茶会のために制作された「鯉(こい)飛ぶ」。栗林公園のコイを描いた作品で、尾形さんはコイの目玉の黄色、うろこの赤色、水の青色、輪郭を成す黒色の順で版画刷りを実演。4回にわたる工程で4色が次第に重なり作品が出来上がると、来場者は「うわあ、きれい」と感嘆していた。
実演は21日にも開催。同じく邦坊の代表作「達磨」を題材に、午後2時から同3時半まで同ホールで行う。尾形さんは「(邦坊は)商業デザインで広く知られるが、展示会や実演を通してその画業の素晴らしさにも触れてほしい」と話している。問い合わせは同ホール〈0877(46)2178〉。
(四国新聞・2019/07/15掲載)
かまどホール
所在地 | 香川県坂出市駒止町1-3-4 |
---|---|
開館時間 | 10:00~17:00 |
休館日 | 月曜日(7/15(月・祝)は開館、7/16(火)は休館) |
入場料 | 500円(70歳以上高校生以下は無料) |
TEL | 0877-46-2178 |
版画刷り実演 | 7/21(日)14:00~15:30 |