江戸時代後期に行われた多度津藩庁の移転について紹介する常設展「多度津藩政資料を読む-多度津藩の引越し-」が、香川県高松市玉藻町の県立ミュージアムで開かれている。公的な記録類を展示しており、陣屋建設に伴い、丸亀城内の屋敷から現在の多度津町内に政治の拠点が移った歴史などをひもといている。7月10日まで。


多度津藩庁の移転の歴史を紹介する常設展=高松市玉藻町、県立ミュージアム


 多度津藩は1694年に丸亀藩の支藩として誕生。小藩だったため城を持たず、丸亀城内の屋敷で政治を執り行っていた。1796年、家老の林求馬時重の進言を契機に陣屋の建設が始まり、1827年に完成し政治の拠点となった。
 同ミュージアムによると、県内で藩政資料がまとまって残るのは多度津藩だけで、貴重な資料を広く知ってもらおうと企画した。会場では公務を記録した日記や覚書など35点を展示しており、役所の移転と藩士の転居に関する記述から、政治の拠点が丸亀から多度津へ計画的かつ段階的に移った様子などを知ることができる。
 期間中は学芸員が展示内容について解説するミュージアムトークや学芸講座も開催する。問い合わせは香川県立ミュージアム、電話087-822-0002。

(四国新聞・2023/05/08掲載)


香川県立ミュージアム



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