81歳で絵筆を握った女性 小豆島の魅力、愛らしく 二十四の瞳映画村で水彩画展
香川県小豆郡小豆島町田浦の二十四の瞳映画村のギャラリー「KUROgO」で、81歳で初めて本格的に絵筆を握った同所出身の山本タミヱさん(2014年死去、享年102歳)=横浜市=の水彩画展が開かれている。小豆島の風景や動物などを愛らしく、味のあるタッチで描いた作品に来館者が見入っている。7月2日まで。
水彩画展は、山本さんの孫で神奈川県で飲食店を営む久保田理央さん(53)が店内に飾っていた水彩画を、同町田浦の住民が偶然見かけて声をかけたことが縁で実現。「山本タミヱ展“タミ絵”~おばあちゃん画 小豆島へかえる」と題し、色紙に描いた47点を展示している。
作品に多く登場するのは、小豆島の風景や動物など。寒霞渓の紅葉をテーマにした作品には鮮やかに色づいた木々のほか、果実を手に入れたサルやリスなどを表情豊かに描き込んでいる。七福神が山や海で動物と触れ合う様子や、楽器を演奏するサルを描いた作品も色合いや構図が独特で、訪れた人たちは「どの絵も味わい深い」「発想が自由なのが魅力」と声を上げていた。
久保田さんは「古里を思う気持ちがあふれた作品ばかり。ゆっくり見てもらえれば」と話している。
観覧は無料だが、同映画村への入村料(中学生以上890円ほか)が必要。
(四国新聞・2023/05/09掲載)