香川県坂出市にある島々の魅力などを坂出商業高生の視点で紹介した観光ガイドブック「坂出五島物語」が完成した。生徒たちが実際に島を巡り、出合った絶景地や観光スポットなどを取り上げ、島外からの訪問を促している。


ガイドブックを手に「坂出の魅力を広めたい」と話す坂出商業高生=香川県坂出市青葉町、同校

ガイドブックを手に「坂出の魅力を広めたい」と話す坂出商業高生=香川県坂出市青葉町、同校


 同校商業科会計ビジネスコースの生徒は、地域活性化に向け、身近な観光地について学ぼうと、与島、岩黒島、櫃石島の離島3島でフィールドワークを行ってきた。昨春にはその成果を生かすため、琴参バス(丸亀市)と協力して一般客向けの3島観光ツアーを企画、開催。生徒はガイド役も務め、大成功を収めた。
 ガイドブックは、生徒たちが培ってきた経験と知識を観光振興に活用してもらおうと、市観光協会が同校に作製を依頼した。生徒たちは今年3月に3島を再訪して取材を行ったほか、現在は市街地と陸続きになっている瀬居島、沙弥島の2地域についても取り上げ、4月に完成した。
 A5判、26ページオールカラー。昨年国の重要文化財に指定された鍋島灯台(与島)や東山魁夷せとうち美術館(沙弥島)などの観光地のほか、瀬戸内海を一望できる花見台(櫃石島)、クマゼミの壁画が描かれた岩黒小中学校体育館(岩黒島)など、生徒のお薦めスポットも紹介。島の人たちに取材した逸話なども記載している。
 作製した2千部は、市観光協会や与島パーキングエリアなどで配布している。取材などに取り組んだ同校3年の大西早咲さん(17)は「どの島も素晴らしいが、特に岩黒島、櫃石島は路線バスでしか入れない特別感があった。ガイドブックをきっかけに、坂出の魅力を県内外の人たちにも知ってもらえれば」と話した。

(四国新聞・2023/05/09掲載)


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