幕末から大正にかけて活躍した香川県高松市塩江町ゆかりの儒学者・藤沢南岳の書を楽しむ企画展が28日、同市塩江町の塩江町歴史資料館で開かれる。同館に保存している掛け軸や屏風(びょうぶ)などを通して、書の腕前にも秀でた南岳の一面を伝える。


藤沢南岳の書を紹介した企画展=香川県高松市塩江町、塩江町歴史資料館

藤沢南岳の書を紹介した企画展=香川県高松市塩江町、塩江町歴史資料館


 南岳は、関西大学のルーツとされる漢学塾「泊園書院」を開いた同町出身の儒学者・東畡(とうがい)の長男。同書院の2代院主を務め、高松藩の儒官に登用された。鳥羽伏見の戦い(1868年)で、幕府方として戦列に加わったことで「朝敵」とされた同藩を危機から救ったほか、小豆島の「寒霞渓」や大阪の「通天閣」の命名者としても知られる。79歳で亡くなった。
 会場には、新たに地域住民から寄贈された作品を含む約60点を展示。77歳の時に書いた六曲一双屏風など晩年の作を中心に紹介しており、やわらかな筆致ながらも、ダイナミックで力強い南岳の書の魅力を味わえる。
 開館時間は午前10時から午後4時まで。同館は毎月最終日曜日のみオープンしており、企画展は6月25日にも開催する。入館料200円(中学生以下無料)。

(四国新聞・2023/05/25掲載)


塩江町歴史資料館



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