映画会社「大映」(1942~71年)が昭和時代に上映した作品のデジタルリマスター版を一挙に公開する「大映4K映画祭」が、6月2日から29日まで香川県高松市亀井町のホール・ソレイユで開かれる。市川雷蔵ら往年のスターが出演する20作品を厳選して上映。味わい深い当時の邦画の魅力を幅広い世代に味わってもらう。


「羅生門」の一場面 (C)KADOKAWA1950

「羅生門」の一場面 (C)KADOKAWA1950


 大映は同市出身の文豪菊池寛が初代社長を務め、溝口健二や市川崑ら日本を代表する監督の作品を世に送り出したほか、京マチ子、勝新太郎ら数多くの映画スターを輩出した。現在はKADOKAWAが大映作品を所有している。
 今回の映画祭はKADOKAWAが大映の創立80周年を記念して企画したもので、四国の映画館ではソレイユだけが参加するという。
 ソレイユでは4週間の期間中、週替わりで5作品ずつ、計20作品を上映。市川雷蔵主演の時代劇「大菩薩(ぼさつ)峠」シリーズ(60、61年)や、ベネチア国際映画祭金獅子賞を受賞した黒沢明監督の「羅生門」(50年)、阪東妻三郎主演の名作「無法松の一生」(43年)など幅広いジャンルを用意している。
 同館は48年ごろのオープン以来、約20年間にわたって大映作品を上映してきたという。詫間敬芳社長(76)は「当時は映画が娯楽の中心。作品には戦後復興が進み、社会が良くなっていった時代の人々の情緒がにじんでいる。非常に質の高い作品がそろっているので、若い世代にも楽しんでほしい」と話している。
 同映画祭のチケットは1作品が一般1600円ほか。回数券(5回券6500円、10回券1万千円)も6月8日まで販売する。問い合わせはソレイユ、電話087-861-3366。

(四国新聞・2023/05/25掲載)


ホール・ソレイユ



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