県都の真夏の祭典「第56回さぬき高松まつり」(高松市、高松まつり振興会主催、四国新聞社、西日本放送など協賛)の開催要綱が29日に決まった。日程は例年通り8月12~14日の3日間。恒例の花火大会が5年ぶりに復活する。主な観覧場所を、サンポート芝生広場周辺から玉藻公園北側の国道30号「水城通り」約300メートルの区間に変更。手狭となり、観客の安全確保への懸念があるとして、50分間で8千発を打ち上げていた例年より規模を縮小し、10分間で3千発とする。



 29日、市役所で開かれた同振興会役員会で承認された。
 要綱によると、花火大会は13日午後8時に開始。サンポート地区の再開発に伴い観覧場所が大幅に減少するため、今回は玉藻公園北側の国道30号「水城通り」約300メートルの区間を歩行者専用道路とし、観覧場所に指定する。車道のため、座っての見物や場所取りは不可。打ち上げ場所はこれまでのサンポート高松沖の台船上から東約400メートルの高松港玉藻防波堤に変更する。
 まつりは12日午後5時半に市中央公園で開幕。イベント内容やスケジュールは調整中。フィナーレを飾る総おどりは14日午後5時半から。中央通りでは同6時40分から「一元放送連」がまつりのテーマ曲に合わせて踊り歩く。オリジナル曲の「自由連」の演舞は市役所前を取りやめ、同公園メインステージに限定する。今回の申込数は一元放送連26連、自由連10連。
 また、優れたパフォーマンスを見せた踊り連を表彰する「総おどりAWARD」を5年ぶりに実施。新たに来場者がQRコードを使ってスマートフォンから投票できるシステムを導入し、従来の審査員による審査との併用で行う。
 高松まつりは1964年にスタート。新型コロナウイルスの影響で3年ぶりに開催された昨年の人出は3日間で計約26万人(主催者調べ)だった。

高松まつり花火 群衆殺到懸念し縮小 「水城通り」観覧、検証へ

 5年ぶりの花火大会の開催が決まったさぬき高松まつり。花火はまつりの目玉だが、10分間3千発と規模を縮小した理由について、まつりを主催する市は「観覧場所が狭くなる中、従来通りの観客が集まると、安全性を担保できない。時間を短縮することで群衆殺到による事故を防ぎたい」とし、安全への懸念から短縮したことに理解を求めた。
 従来の主な観覧場所はサンポート芝生広場周辺(約4万平方メートル)。前回の2018年には約17万人が来場した。昨年はサンポート地区の再開発に伴って観覧可能なスペースが大幅に減少し、新型コロナウイルスを含めた安全対策が困難として実施を見送った。
 一方、市は花火大会を望む声が多いことを踏まえ、今年は開催に向けて、国道30号「水城通り」などを観覧場所に指定。しかし、従来の6割に当たる約2万4千平方メートルにとどまった。市が想定する水城通りなどを含めた今年のキャパシティーは約10万人。「開催には時間を短縮するほかない」と判断したという。
 市は4、5月のまつり実行委員会会合で花火の縮小案を説明した。市によると、警備にかかる費用は、10分間でも従来の50分間でも同じ。委員会メンバーから「短過ぎる。従来の半分の25分間は実施すべき」などの声があったが、市は「人出が読めない。10分間という短さで人流を抑えたい」などと理解を求めた。
 役員会後、市は大西市長のコメントを発表。市長は「打ち上げ時間を10分間とするが、従来のクライマックスのような演出を目指す。各所からの花火の見え方や混雑状況などをしっかり調査し、検証を行うことで、次年度以降の開催に向けた意義ある花火大会としたい」との考えを示した。
 併せて、市は今年も熱中症対策を徹底する方針。小まめな水分補給などを行うよう看板の設置やアナウンスなどで呼びかけることを検討している。

(四国新聞・2023/05/30掲載)



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