「小豆島」という名のハナショウブが香川県小豆郡土庄町屋形崎のホテルや香川県小豆郡小豆島町西村の小豆島オリーブ公園で見頃を迎えている。地元の郷土史家・藤井豊さん(2011年死去)が明治神宮(東京)のハナショウブ園で見つけたのをきっかけに1987年から栽培。藤井さんから株を譲り受けた女性が今冬、育ててきたものをホテルなどに株分けした。薄紫色の優雅な花が観光客らの視線を引き付けている。見頃は今月末ごろまで。


薄紫色の優雅なハナショウブ「小豆島」に見入る観光客=土庄町屋形崎


 藤井さんが生前発行していた「小豆島新聞」によると、藤井さんが74年に明治神宮を訪れた際、ハナショウブ園に「小豆島」と書かれた立て札があるのを見つけた。社務所に株分けを打診すると「公的機関になら可能」との返答があり、県農業試験場を通じて申し込んだ。「小豆島」の名前の由来は、明治神宮に資料が残っていないため不明という。
 藤井さんと親交のあった土庄町の女性が2006年に株を引き継ぎ、自宅の庭などで徐々に増やしてきた。今年2月、多くの観光客にも見てもらえるよう、花卉(かき)の栽培に力を入れているオリビアン小豆島夕陽ケ丘ホテルと小豆島オリーブ公園に合わせて約100株を寄贈。両施設では今月上旬から花が咲き始め、連日開花しているという。
 同ホテルで観賞していた大阪府泉佐野市の東美香さん(58)は「優しい色合いが梅雨空にもマッチして気持ちが落ち着く」と話していた。

(四国新聞・2023/06/19掲載)

オリビアン小豆島夕陽ケ丘ホテル


小豆島オリーブ公園



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