不動産開発の「ことひら未来」(香川県琴平町)などは14日、同町の金刀比羅宮参道沿いで進めている再開発事業「ことひら町おこしプロジェクト」の概要を発表した。メインは、国立競技場(東京)などを手がけた世界的建築家・隈研吾氏設計の客室などが並ぶ複合型宿泊施設で、老舗旅館の再生やグランピング施設の計画もある。原健吾社長は「ここを拠点に周遊してもらい、地域経済を活性化したい。琴平の未来を背負うランドマーク的施設になれば」と期待している。


隈氏が設計する宿泊施設の特別室のイメージ

隈氏が設計する宿泊施設の特別室のイメージ


 宿泊施設「旅亭(りょてい)ことひら」は、江戸時代から400年続き、約40年前に閉鎖した旧虎屋旅館の跡地を利用。約3700平方メートルの敷地に、「離れ家」をイメージした客室(計12室)やレストラン棟、9店舗が入るテナント棟を設ける。事業費は約7億円。
 客室は2階建ての5棟と平屋の特別室2棟があり、県産木材を使用した温かみのある建物で、全室に半露天風呂を備える。1泊2食付きで1人3~5万円程度とし、訪日客を含めた参拝客だけでなく、記念日などの利用を想定している。隈氏設計の建物は県内で初めてで、9月ごろ着工、2026年春に開業予定。
 プロジェクトでは、参道反対側の旧虎屋旅館別館の敷地約2千平方メートルも活用する。旧虎屋旅館の建具などを活用したうどん店を今春開店し、2階部分を虎屋旅館として6月から営業。また別館を改修し、来年に宿泊施設としてオープンする。カフェなども今春から開店している。
 別館の裏手には、隈氏とキャンプ用品のスノーピークが共同開発したトレーラーハウスを利用したグランピング施設を計画。来春の開業を予定している。

(四国新聞・2023/07/15掲載)



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