香川県観音寺市出身の俳優嶋尾明奈さん=東京都在住=と、愛媛県在住の俳優小倉あんこさんの二人芝居「満月を待って」が28日から3日間、香川県三豊市仁尾町の「古材と薪(まき)ストーブのお店 古木里庫(こきりこ)」で開かれる。2作目となる今回は、今は亡き昭和の大スターの声を通じて自分らしく生きるヒントを探る人生の“応援ファンタジー”を描き出す。


嶋尾さん(左)と小倉さんが抱擁する前作の一場面=三豊市仁尾町、古材と薪ストーブのお店 古木里庫


 嶋尾さんは舞台を中心に活動する傍らクリエイティブディレクターとして映像関連の仕事も担う。小倉さんは30歳から演劇の世界に入り、四国を拠点に即興芝居の企画などを行っている。
 二人は、それぞれがビデオ会議アプリ「Zoom(ズーム)」で一人芝居を公開していたのを縁に交流を深め、昨年、瀬戸内海の船上を舞台にした二人芝居「Some Other Spring いつかの春に」で初共演。東京と三豊市で開いたこの舞台はいずれも好評を博したことから、さぬき生活文化振興財団の助成を受け、観客と距離感の近い古木里庫で再度の公演を決めた。
 今作は、人生に疲れたシングルマザーの女性が主人公。女性が海辺のバス停に降り立つと、俳優で歌手の笠置シヅ子(1914~85年、東かがわ市出身)と出会い、悩み事を打ち明けてアドバイスをもらう。やがて女性は将来に希望を見いだしていく-という物語で「今の自分を生きる」をテーマにした作品に仕立てている。前作に続き脚本は愛媛県在住の劇作家井上志保さん。
 開演前には観客に悩みや心配事などを募り、そのエピソードを劇中で語る観客参加型即興劇も見どころ。終演後は演者らによるトークも。
 28日は午後3時から公開リハーサルの舞台(小中高生10人無料、先着順)。29日は午前11時からと午後3時から。30日は午後1時から。各回20人まで。入場料はいずれも一般千円(小中生300円、高校生500円)。問い合わせはコスゲさん、電話090-3788-0154。

(四国新聞・2023/07/20掲載)



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