香川県高松市出身の現代美術家川島猛(93)が、2016年以降に制作した絵画を紹介する展覧会が同市亀水町のアトリエ兼美術館「川島香川県猛アートファクトリー」で開かれている。会場に並ぶのは、色彩豊かな“渦”が縦横に舞う「宇宙シリーズ」が中心。老いてなお、日々新しい表現を追求する川島のみなぎる生命力を感じ取ることができる。11月4日まで。


「宇宙シリーズ」の大作の前で笑顔を見せる川島猛と妻の順子さん=香川県高松市亀水町、川島猛アートファクトリー

「宇宙シリーズ」の大作の前で笑顔を見せる川島猛と妻の順子さん=香川県高松市亀水町、川島猛アートファクトリー


 「川島猛-Love-宇宙-Now」と題した今回の展覧会は、米ニューヨークで1963年から53年間活躍した川島が、帰国後に手がけた同シリーズ130~150点のうち約40点を展示。水性マーカーを中心に使い、ニューヨークでの多彩な経験を基盤に、生まれ育った瀬戸内の豊かな自然を育む力に思いをはせながら制作に打ち込んだ姿勢がうかがえる。
 大作「宇宙環―E―I」(縦152・5センチ、横406・5センチ)は、限りなく広がる未知の宇宙を緻密な直線やダイナミックな円で感性のままに表現。描き上げた後でタイトルを付けており、植物や華やかさを連想させる作品は「華」、空間のよどみが感じられるものは「流」など、作品から感じ取ったイメージを漢字一文字に込めたという。
 川島と妻の順子さんは、「アートの感じ方は十人十色。自由に楽しみながら鑑賞して、生きる喜びを感じてもらえたら」と来場を呼びかけている。
 入場料は一般千円(高校生以下は無料)。開館時間は火、木、土曜の午前10時~午後4時。問い合わせは同館、電話087-802-6888。

(四国新聞・2023/07/27掲載)


川島猛アートファクトリー



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