香川県丸亀市一番丁の市立資料館で、企画展「殿様を支えた家臣たち―殿、私がお守りいたします―」が開かれている。丸亀藩京極家の治世を支えた家臣たちの関連資料計115点を展示。9年ぶりの公開となる家老多賀家伝来のよろいかぶとや初公開の藩医河田雄禎(ゆうてい)が愛用した薬箱などが来館者の注目を集めている。


京極家家臣の関連資料に見入る来館者=香川県丸亀市一番丁、市立資料館

京極家家臣の関連資料に見入る来館者=香川県丸亀市一番丁、市立資料館


 同館によると、京極氏は1658(万治元)年の入封以来、210年以上にわたって丸亀の地を治めた。藩主のもとには家老職をはじめ、藩の軍事、政治、医術、学問などさまざまな分野で役職を担った家臣がおり、企画展ではそうした家臣の人柄や功績をクローズアップした。
 中でも家老多賀家は、近江源氏の流れをくむ京極家を古くから支えた一族で、屋敷は現在の大手門を出たすぐそばに建てられていた。藩医の河田雄禎は蘭方医学で評判の高かった大坂の緒方洪庵の下で学び、四国で初めて天然痘の予防接種を丸亀で始めたとされる。
 企画展では、多賀家のよろいかぶとや河田雄禎の薬箱やさじ、はかりのほか、江戸前期の家臣団175人分のかぶとの図録「旧藩兜毛調帳(きゅうはんかぶとげしらべちょう)」や、幕末の藩士、土肥大作の短刀を紹介。家臣たちの居住地が一目で分かる市文化財の「丸亀城郭及び城下町古地図」なども展示している。
 1階ロビーには地元の切り絵ペーパークラフト作家が制作した写真撮影スポットを設けている。会期は9月10日まで。30日と8月19日午後1時半から、担当者による展示解説を行う。希望者は直接会場へ。入館無料。開館時間は午前9時半~午後4時半。月曜休館。問い合わせは同館0877-22-5366。

(四国新聞・2023/07/30掲載)


丸亀市立資料館



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