物語の世界へいざなう 現代作家の20作品紹介 高松市美術館 来月18日まで
高松市美術館(香川県高松市紺屋町)で、コレクション展「物語る―記録、ストーリー、歴史」が開かれている。さまざまな手法を駆使した写真や絵画などの現代アート作品が並び、鑑賞者を奥深い芸術の世界にいざなっている。9月18日まで。
今回は13作家の作品を紹介。名画の人物に扮(ふん)したセルフポートレート写真で評価されている森村泰昌や写真と見間違えるような写実技法で知られる橋爪彩、昨年の瀬戸内国際芸術祭で大島(同市)に作品を出品した鴻池朋子らの20点が並ぶ。
森村の「肖像 泉1、2、3」は、フランス新古典主義の画家ドミニク・アングルによる「泉」の複製図版に、自身の写真を女性に絡み合うように組み合わせており、作家が絵画に入り込んだような新鮮さを感じさせる。
布で顔を覆った男女が口づけを交わすベルギーの画家ルネ・マグリットの「恋人たち」を題材に、ビニール袋をかぶった女性2人がキスをする姿を描いた橋爪の絵画「Les amies」はマグリット作品との違いから鑑賞者の想像力をかき立てる。
鴻池によるミクストメディア「風が語った昔話」は、自身が創作した生命が移り変わっていく物語を布や羊毛フェルトなどを使ったタペストリーにして表現。作品は触って感触を確かめることもできる。
入場料は一般200円ほか。問い合わせは同館、電話087-823-1711。
(四国新聞・2023/08/03掲載)