香川県立ミュージアム(香川県高松市玉藻町)で「夏休み子どもミュージアム」と題した二つの収蔵品展が開かれている。一つは多種多様な鳥が描かれた江戸期の作品が並ぶ「このトリなあに?」で、もう一つは動物がモチーフの絵画を集めた「動物図鑑」。夏休み中の子どもたちにアートに親しんでもらおうと同ミュージアムが企画したもので、家族で楽しみながら鑑賞できる。いずれも9月3日まで。


動物を描いた絵画が並ぶ収蔵品展=高松市玉藻町、県立ミュージアム


 「このトリなあに?」は、動植物を緻密に描いた「高松松平家博物図譜」の中から鳥の図を集めた「衆禽(しゅうきん)画譜」を出展。実物の野鳥の写真と一緒に展示しており、見比べることで羽の模様や色も的確に描かれていることが分かる。「江戸時代の絵師の観察力や画力の高さを知ってほしい」と担当学芸員は話す。


衆禽画譜と鳥の写真を見比べる子どもたち


 「動物図鑑」は、猪熊弦一郎ら県ゆかりの作家7人が手がけた猫や馬などの絵画を1点ずつ紹介。このうち、和田邦坊の「なまず」は水中を力強く泳ぐ様子を豪快な線で表現した大作。作品横には「絵からどんな音が聞こえてきそう?」などと書いたパネルを添えており、絵画への理解を深めるために対話しながら鑑賞できるよう工夫している。
 入場料は一般410円ほか。問い合わせは同ミュージアム、電話087-822-0247。

(四国新聞・2023/08/10掲載)



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