香川県善通寺市の総本山善通寺(菅智潤法主)は17日、秋に開催する弘法大師空海御誕生1250年記念イベントの概要を明らかにした。春に行った記念イベントの第2弾。非公開の御影堂奥殿を再現した特別開帳やコンサート、講演会など多彩な行事で節目の年を締めくくる。


奥殿の特別開帳などをPRするポスター

奥殿の特別開帳などをPRするポスター


 1250年記念祭は、4月23日から空海誕生日の6月15日まで実施。大法会や秘仏開帳のほか、記念祭実行委(委員長・斎藤弘道市観光協会長)による連携イベントが行われ、同実行委の発表では同市を約40万人が訪れたという。一層の盛り上げを図るため同寺がイベントを追加で企画、市役所であった実行委会合で示した。
 メインは、空海の母の部屋があった場所とされ、空海誕生の聖地である御影堂奥殿の特別開帳。奥殿に立ち入りはできないが、御影堂隣りの聖霊殿に、弘法大師像、愛染明王像、降三世(ごうざんぜ)明王像などを移し、奥殿の様子を再現する。奥殿の再現公開は初めて。10月30日から11月26日まで。
 11月には、世界的シンセサイザー奏者・喜多郎さんと、高松市出身のサウンドアーティスト・岡野弘幹さんが出演する奉祝コンサートを実施。同市出身のピアニスト・宮崎朋菜さんのピアノコンサートも予定している。
 また江戸時代の作で、約4メートル四方の巨大な「両界大曼荼羅(まんだら)」を、同寺では200年ぶりに公開。金堂(本堂)の本尊・薬師如来像の両脇に展示する。大曼荼羅の解説会も行う。
 このほか、真言宗十八本山の僧侶によるリレー講演、講談師・旭堂南左衛門さんの講談などを企画。善通寺一高とコラボして、同校生徒が制作した空海のアニメ上映や、同寺のマスコットキャラクターを紹介する作品展も催す。
 同寺は「11月には恒例の空海まつりもある。秋に再び大勢の人に訪れてもらい、記念の年を締めくくりたい」としている。

(四国新聞・2023/08/18掲載)



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