香川の2大聖地が歴史的タッグ―。総本山善通寺(善通寺市、菅智潤法主)と金刀比羅宮(琴平町、琴陵泰裕宮司)は31日、弘法大師空海の誕生1250年を祝うコラボ御朱印を9月1日から授与すると発表した。隣接市町にあり共に長い歴史を誇る両者が、公式に提携するのは史上初めて。地元自治体を交えて、さらなる地域活性化を目指す。


コラボ御朱印の総本山善通寺版


コラボ御朱印の金刀比羅宮版


 同宮は、かつては神仏混交で真言宗の寺でもあったが、1868(明治元)年の神仏分離令で神社になった経緯がある。空海でつながる縁から誕生1250年を共に祝い、新型コロナウイルス禍で打撃を受けた両市町のにぎわいづくりにつなげようと、同宮から働きかけ、コラボ第1弾として御朱印制作を決めた。
 コラボ御朱印は総本山善通寺版と金刀比羅宮版の2種類あり、大きさは縦15センチ、横20センチ。いずれにも同寺の五重塔、キャラクター「MAO(まお)」と、同宮の本宮、代参犬のこんぴら狗(いぬ)をデザイン。同寺版はMAOがこんぴら狗を迎え入れる構図、同宮版はこんぴら狗が石段でMAOを迎え入れる構図となっている。1枚千円、各5千枚限定。
 この日は総本山善通寺で共同会見があり、菅法主と琴陵宮司、辻村善通寺市長、片岡琴平町長らが出席。琴陵宮司はコラボを持ちかけた理由を「アフターコロナを見据えた神社の在り方を模索していた」と説明。「1250年は私どもにとっても特別な思いがある。コラボができるのはありがたい」と述べた。


弘法大師像の前で握手を交わす菅法主(左)と琴陵宮司=善通寺市、総本山善通寺


 菅法主は「大師が引きあわせてくれた。これを契機に新たな活動もできるのではないか。今後に注目してほしい」と話した。また辻村市長と片岡町長もコラボを歓迎、中讃地域の観光振興につなげていく考えを示した。

(四国新聞・2023/09/01掲載)

総本山善通寺


金刀比羅宮



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