雲辺寺に薄紫色の彩り ギボウシ見頃
香川県観音寺市大野原町との県境にある四国霊場66番札所・雲辺寺(徳島県三好市)でギボウシが満開となり、涼しげな薄紫色の花が参拝者や観光客を和ませている。
ギボウシはユリ科の多年草で山間部に自生し、茎の先に筒状の花をつける。漢字では「擬宝珠」と書き、つぼみの形が寺社の高欄や橋の欄干の柱頭部を飾る擬宝珠(ぎぼし)に似ていることから名付けられたという。
同寺では、アジサイの盛りが過ぎて紅葉が始まるまでの時季に境内を彩る花があればと、淵川敬心住職が発案し、10年以上前からギボウシを株分けして少しずつ増やし続けてきた。雲辺寺ロープウェイの山頂駅そばの花壇をはじめ、参道沿いや本堂、五百羅漢像の付近など、あちらこちらで目にすることができ、今月中旬まで楽しめそう。
東京都から愛媛県への帰省中に訪れた今藤沙織さん(37)は「よく手入れがされていて涼しげ」と話し、カメラを向けていた。
(四国新聞・2023/09/05掲載)