香川県さぬき市多和の山間部でクリが収穫期を迎えた。真夏を思わせる厳しい暑さが続いているものの、イガの間から顔をのぞかせるぷっくりと茶色に熟れた実が、山里に秋の気配を告げている。


収穫期を迎えたクリの実=香川県さぬき市多和

収穫期を迎えたクリの実=香川県さぬき市多和


 クリが実っているのは、四国霊場88番札所・大窪寺から車で5分ほどの標高約600メートルの農園。所有者の井川義雄さん(72)=同市長尾西=が約1・5ヘクタールで500本ほどのクリの木を栽培している。
 井川さんによると、今年は台風の影響で8月に一部の実が落ちるなどしたが、全体としては順調に生育。今季初収穫となった4日は農園の関係者が早朝から山に入り、中にぎっしりと実が詰まったイガを火ばさみを使って拾い集めた。
 農園には現在収穫期の早生(わせ)種のほか、中生(なかて)種、晩生(おくて)種も植えられており、収穫作業は10月10日ごろまで続く見通し。今季の出来について、井川さんは「色合いが良く、甘みもしっかりある」と評価した。
 収穫したクリは、井川さんが営む大窪寺門前の食堂・八十八庵で「クリおこわ」にして10日から10月末まで1日50食限定(テイクアウトも可)で販売する予定。井川さんは「大窪寺参拝のついでに立ち寄り、秋の味覚を味わってもらえたらうれしい」と話している。

(四国新聞・2023/09/06掲載)



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