福武財団(香川県香川郡直島町)は5日、6回目の瀬戸内国際芸術祭が開かれる2025年に、「直島新美術館(仮称)」を同町にオープンすると発表した。設計は建築家の安藤忠雄さんが手がけ、同財団などが展開するベネッセアートサイト直島では10番目の安藤建築となる。新美術館は同年春に完成予定で、日本を含むアジア地域のアーティストの代表作を中心に収集・展示するとともに、ワークショップなどのプログラムにも活用する。


「直島新美術館(仮称)」のイメージ (C)Tadao Ando Architect & Associates

「直島新美術館(仮称)」のイメージ (C)Tadao Ando Architect & Associates


 発表によると、新美術館は敷地面積が6017平方メートルで地上1階、地下2階の構造。延べ床面積は計3176平方メートル。立地場所は「家プロジェクト」などがある本村地区近くの高台で、地中美術館(延べ床面積2573平方メートル)から北東に直線距離で約2キロに位置する。



 作品を展示するギャラリーは地下に四つ開設し、地上1階には瀬戸内海の風景が一望できるカフェを併設する。建物の外観は大きな屋根が特徴で、本村地区の景観になじむよう外壁を黒漆喰(しっくい)で塗り、小石を積み上げた塀も造る予定。
 収集・展示する作品は、近年注目を集めるアジア地域のアーティストによる社会や環境をテーマにした現代アートが中心で、ギャラリーで企画展を開いて紹介していく。出展作家と作品は24年秋に発表する予定。また、トークイベントやワークショップといった展示以外のプログラムにも取り組むことで多様な視点や表現を発信していく。
 ベネッセアートサイト直島の安藤建築は、ベネッセハウスミュージアムや地中美術館、22年に開館したヴァレーギャラリーなどがある。同財団は「これまでにはない新しいアプローチの美術館。島内外のさまざまな人が交流できる施設を目指したい」としている。

(四国新聞・2023/09/06掲載)


ベネッセアートサイト直島


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