2025年に開催予定の第6回瀬戸内国際芸術祭で、これまでの会場に加えさぬき、東かがわ、宇多津の3市町を新たな会場として追加することが10日、明らかになった。これで香川県内の海に面した市町がすべて参加することになる。会場が増えるのは中西讃の5島が追加された13年の第2回以来。会期は従来と同様に春、夏、秋の3会期で計107日間とする。


新たに瀬戸芸への参加が決まり、抱負を述べる東かがわ市の上村市長=香川県高松市サンポート、香川国際会議場

新たに瀬戸芸への参加が決まり、抱負を述べる東かがわ市の上村市長=香川県高松市サンポート、香川国際会議場


 同日高松市内で開いた芸術祭実行委員会(会長・池田知事)の総会で、取り組み方針を正式に決定した。
 総会では第6回の会場として、従来の直島、豊島、女木島、男木島、小豆島、大島、犬島、沙弥島、本島、高見島、粟島、伊吹島と高松港周辺、宇野港周辺に加え、さぬき、東かがわ両市、宇多津町が示された。各所の具体的な会場は今後検討するが、新たに加わる3市町ではさぬき市志度の町並みや大串半島、津田の松原、東かがわ市引田の町並み、宇多津の町並みなどが候補に挙がっている。
 ほかの重点的な取り組みとして▽島しょ部に来場者が集中しすぎない仕組みづくり▽アジア諸国とのつながりを意識した作品計画▽作家と中高生との交流など学校教育との連携―などを盛り込んだ。参加アーティストに向けては同日、公募作品の応募要領が公開された。
 会期は春が4月18日~5月25日、夏が8月1~31日、秋が10月3日~11月9日。春、秋は作品や受け入れ態勢の調整のため、各島2日程度の休日を設け、合計の会期は前回より2日長い107日とした。



 また、同じ25年に開かれる大阪・関西万博の観光客を誘引する魅力づくりの一つとして、県内と岡山、兵庫の計八つの美術館による「瀬戸芸美術館連携」プロジェクトがスタート。福武総一郎同芸術祭総合プロデューサーを会長とする実行委員会を発足したことが報告された。県内では県立ミュージアム、高松市美術館、丸亀市猪熊弦一郎現代美術館と、同年に開館予定の直島新美術館(仮称)が会場となり、期間中に日本人アーティストによる現代アートの展示などを企画する。
 総会後には、瀬戸芸参加作家の妹島和世さん、田島征三さんをパネリストにシンポジウム「瀬戸内トーク」が開かれ、約300人が耳を傾けた。
 北川フラム総合ディレクターは「瀬戸芸は国際的な評価が高まってきただけに、基礎からつくる気持ちで取り組まなくてはならない」とした上で、「初参加の市町はそれぞれ、海との関係が深い地域。その歴史を丁寧に考えてゆけば、いいものができると思う」と話していた。

(四国新聞・2023/09/12掲載)


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