香川を拠点に活動する声楽家団体「四国二期会」(若井健司理事長)の第48回公演「歌劇カヴァレリア・ルスティカーナ&オペラ・ガラ・コンサート」が10月8、9の両日、香川県高松市玉藻町のレクザムホール小ホールで開かれる。4年ぶりとなるオペラ公演のメインはイタリア歌劇「カヴァレリア―」。市民の日常生活で起きた事件を描いたリアリティーあふれる名作でオペラの醍醐味(だいごみ)を伝える。


本番さながらの練習を繰り広げる四国二期会のメンバー=高松市内


 両日とも上演する「カヴァレリア―」は19世紀のシチリア島が舞台。村の若者トゥリッドゥには恋仲のサントゥッツァがいるが、かつての恋人で人妻のローラとの逢瀬を繰り返す。耐えかねたサントゥッツァはローラの夫アルフィオに2人の関係を打ち明ける―。
 英雄や貴族ではなく、市井の日常を情感豊かに描く「ベリズモ・オペラ」の代表作。劇中に響く美しい間奏曲で知られ、コンサートでも幅広く演奏されているという。
 同会は二期会中四国支部として設立し、今年で50年を迎える。トゥリッドゥを演じる香川大教育学部教授の若井理事長は「生の歌声とリアリティーのある演技で平穏な日常に潜む人間の愛憎をリアルに演じたい」と意気込む。字幕付き、全1幕で1時間20分のステージとなる。
 ガラ・コンサートは「愛の妙薬」や「蝶々夫人」などの名場面を取り上げる。8日はアリア、9日はアンサンブルも含めた編成。指揮は直島町出身の守山俊吾さん、演出は国際的に活躍する十川稔さん。合唱は四国二期会オペラ合唱団、管弦楽は瀬戸フィルハーモニー交響楽団が務める。
 かがわ文化芸術祭の参加公演。開演時間は8日が午後6時、9日は同2時。入場料は自由席一般5千円(前売り4500円)ほか。問い合わせは四国二期会、電話070-5682-6534。
 「カヴァレリア―」の主なキャストは次の通り。(敬称略)
 トゥリッドゥ=瀬田雅巳(8日)、若井健司(9日)▽サントゥッツァ=漆原美紀(8日)、国方里佳(9日)

(四国新聞・2023/09/27掲載)


四国二期会


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