坂出市所有の庭園で市指定文化財の香風園(同市本町)で、老朽化していた施設などがリニューアルされ、27日に記念セレモニーが行われた。坂出小学校(同市白金町、奴賀要校長)の児童らが訪れて新しくなった施設を見学。園内の池にコイを放流するなどして、完成を祝った。


かやぶき屋根がふき替えられた時雨亭を見学する児童ら=香川県坂出市本町、香風園

かやぶき屋根がふき替えられた時雨亭を見学する児童ら=香川県坂出市本町、香風園


 同園は、同市の実業家・鎌田勝太郎が自身の別邸として1910(明治43)年に築庭した。55年には市が買い受け、児童公園として市民に開放。99年から2年かけて修復工事を行い、築庭当時の姿に復元した。
 敷地面積は約5700平方メートル。東側が芝生広場やあずまやなどを備えた洋風庭園で、西側は鎌田の別宅だった翠松閣(すいしょうかく)や茶室などを持つ時雨(じう)亭がある日本庭園となっている。
 前回の修復から20年以上が経過していることに加え、2018年7月の台風被害で西門が倒壊したままになっていたことから、市が昨年度、施設改修などに着手。昨年12月に着工し、今月に入り完成した。
 今回、松材などで西門(幅5・6メートル、高さ2・9メートル)を造り直したほか、時雨亭のかやぶき屋根のふき替えなど、施設を改修。道路から園内を見ることができるよう、生け垣を高さ約2メートルから1・4メートルほどにまで刈り込んだ。事業費は約3200万円。
 この日は同園でセレモニーがあり、有福市長は「公園は人をつなぎ、街を育てる拠点施設。リニューアルを経て、より多くの人に香風園の魅力を知ってもらいたい」とあいさつした。坂出小の1年生約100人は、園内の池にコイの稚魚約120匹を放流。市職員の案内で、新しくなった施設の見学も行った。

(四国新聞・2023/09/28掲載)


香風園



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