約170年前の江戸末期に作られた高松市香川町の「舟岡大獅子」の獅子頭が、2年前に修復されて以降初めて奉納の舞に登場する。7、8日に開かれる同市仏生山町の※(ちきり)神社の秋祭りで、新型コロナウイルスを受けて取りやめていた獅子舞が4年ぶりに復活するのに合わせてお目見え。獅子舞に参加する地域の子どもたちも「一緒に踊れてうれしい」と喜び、練習に一段と熱がこもっている。


修復後初めて秋祭りでお披露目される大獅子=香川県高松市香川町、浅野北部集会所

修復後初めて秋祭りでお披露目される大獅子=香川県高松市香川町、浅野北部集会所


 舟岡大獅子の獅子頭は、安政年間の1854年に制作され、幅約1メートル、高さ約60センチ、重さ約20キロ。油単(ゆたん)は長さ約10・5メートル、幅約4・5メートルある。※神社例大祭のみこし渡御では先頭を担い、勇壮に舞う姿から「暴れ獅子」の異名を持っている。
 最近は劣化や損傷が目立っていたため、管理している舟岡大獅子保存会が専門業者に依頼し、2020年8月から1年ほどかけて修復。艶やかな朱漆に金箔(きんぱく)の化粧を施した往時の姿となったが、新型コロナで使えないままでいた。
 大獅子の周りで踊る曲打ち役や、太鼓、鉦(かね)のはやし役を務める子どもたちの練習も熱気を帯びている。今回は小学生を中心に約20人が9月27日からほぼ毎夜、同市香川町の浅野一号文化センターなどに集まり、汗を流している。
 浅野小5年の児童(11)は「獅子舞が復活するのはうれしい。コロナでできなかったのが悲しかった。みんなに元気を届けられるよう力強く踊りたい」と意気込んでいる。
 同保存会の中條拓也会長(59)は「きれいになった大獅子がやっと日の目を見ることになる。待ち遠しかった。勇壮に舞う姿を目に焼き付けてほしい」と呼びかけている。
 大獅子は7日、地域を練り歩いた後、※神社の宵宮で獅子舞を奉納。8日は例大祭のみこし渡御などで奉納の舞を披露する。
※は勝の力が木

(四国新聞・2023/10/06掲載)



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