讃岐路に本格的な秋の到来を告げる金刀比羅宮(香川県仲多度郡琴平町、琴陵泰裕宮司)例大祭は10日夜、最大の呼び物「みこし渡御」が4年ぶりに営まれた。伝統の衣装に身を包んだ総勢約600人の長い行列が、本宮からの石段を厳かに下り、待ちかねた大勢の参拝客を歴史絵巻の世界にいざなった。


伝統の衣装に身を包んだ男たちに担がれて本宮を出発する金色のみこし=香川県仲多度郡琴平町、金刀比羅宮

伝統の衣装に身を包んだ男たちに担がれて本宮を出発する金色のみこし=香川県仲多度郡琴平町、金刀比羅宮


 「お下がり」として親しまれているみこし渡御は、午後9時ごろに本宮を出発。毛槍(やり)を打ち振るう奴(やっこ)組を先頭に、子どもたちの頭人(とうにん)、氏子総代、五人百姓、巫女(みこ)、雅楽を奏でる伶人(れいじん)らが行列をつくり、荘厳な金色のみこしとともに785段の石段をゆっくりと下った。
 表参道では、こんぴら船々おどりや阿波おどりがにぎやかに繰り広げられ、行列を出迎え。行列は2時間ほどかけてゆっくりと進み、本宮から約2キロ離れた神事場に到着した。
 例大祭最終日の11日は、神事場で午後1時から雅楽演奏ユニット「博雅会」が舞楽「蘭陵王」を奉納。このほか午前10時から午後6時まで、ダンスやジャグリングなどが披露される。みこしは午後9時、再び本宮を目指して出発する。

(四国新聞・2023/10/11掲載)


金刀比羅宮



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